現在文化の日である11月3日は明治天皇の誕生日でした。
明治神宮では奉納行事として、日本古武道大会が行われています。
内容は古流柔術や空手、合気道や弓道をはじめとした武道の演武(=型や実技を披露する)です。
あらためて調べたところ、明治神宮が創建された1920年に大日本武徳会が奉納して以来の伝統だそうです。
現代となっては、多くのかたには馴染みのないジャンルだと察します。
騎乗して的を射る流鏑馬(やぶさめ)や、甲冑・真剣・法螺貝・火縄銃の実物実演を観ることができるのは貴重な機会です。
最近は外国人の来場者のほうが多いかもしれません。
反面、歴史を顧みる日本人が少ないことはすこしさみしい気がします。
ずいぶん昔ですが、実は私もこの大会に演者として参加していたことがあります。
そういう意味では歴史ある道場にいたわけですが、未熟な私の興味は技法のみであり、古武道の歴史や背景に関心がありませんでした。
大会に参加する意義がわからないうえ、しきたりも多くあまり前向きな気持ちではなかった記憶です。
きちんと調べてみると、素晴らしい歴史や、権威ある場であることを知り、そこに縁故で出られたことは稀有なことだと思います。
自主的に調べなかった私の非が大前提ですが、組織を司る立場になって思うところがあります。
先人は、後進には所属する組織やジャンルの歴史や意義をつたえることも大切だと。
それが本人の情熱や動機の向上につながることもあるのではないでしょうか。
先日、たまたまこの現場を夕方前に通りがかったところ、おびただしい数のカラスが舞っておりました。
大会の終わりを告げる砲術の演武の際、火縄銃が鳴り響き、杜じゅうのカラスが騒ぎながら飛び立つのです。
