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2026/04/30

Strength


いま私は固太りですが、10代後半には体重が55キロしかありませんでした。
細くて薄い、吹けば飛ぶような体躯です。
そんな肉体がコンプレックスで、20代からジムや道場通いをして、肉体的な強さを志向しました。

単純に、体が強くなれば、心はもっと強くなると考えていたのです。
時はまさに世紀末、週刊誌は逞しい男達が闘う画であふれ、そういう時流の影響も少なくないでしょう。

以前ブログで触れた知人の格闘家は、三十路半ば過ぎの現在、世界の舞台で試合をして勝ち続けています。
体重は60キロ前後の階級、一般人と変わらないサイズですが、服を脱げば筋肉は木彫のよう。
普段の柔らかい物腰は試合では豹変し、組んでから極める、必ず仕留める流れは鬼気迫るものがあります。
すべてを道に捧げているからこそ成せる業なのでしょう。

ふと、戦前から世界を股に貿易商をやっていた祖父の遺影が蘇りました。
戦前のアメリカの渓谷や戦後のパンナム機の前で撮られた、痩躯ながら溌溂とした姿。
写真の中でしか見たことはありませんが、彼もまた強い男に違いありません。

かような生き様を見ていると、強さの基準を単に肉体に置いていたことはどうなのだろうか……。
肉体と精神は相関するので、体を鍛えることは心の強さをもたらす手段になり得ます。
ただそれ以前に、体の操縦者は心であり、心の強さは信念の強さであることに気づかされます。

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